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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院
「さて、今日はどういった用件で?」
ラークにソファーを勧め、落ち着くと話を持ちかけた。
「じつは…」
呆気に取られていたラークだが、咲の質問にい住まいを正した。
ラークの話によると、ルアールの外れにあるスラムから来たと言う。
普段は貧しいながら、スラムの住人達が協力してその日暮しだが何とか生活をしていた。
だが、最近になって大人達が次々と倒れ始めた。
動ける者が激減し、最終的にはラーク始め三人ほどになってしまったという。
「しかし、子供達が協力してくれて何とか生きていたんです。ですが…」
つい先日、残りの二人も倒れ、更に子供達も倒れ始めたというのだ。
「なんとか、今日までやってきたのですが…。私自身も徐々に体力が無くなって来ていて、いつ倒れてもおかしくない状態になってしまったんです。」
俯き加減で悲しそうに微笑んだ。