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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院
ラークと子供達をジャックとマーラに頼み、咲とディラはルアールの外れにあるスラムに来ていた。


「…これは、予想以上ね…。」


瓦礫としか呼べない崩れた家や屋根に穴の空いた建物の中や外に、ラーク達と同じような衣服を纏った人が寝そべっていた。


不衛生なその場所で倒れている人々の側をネズミやゴキブリがはい回っている。



「一気にやるのは危険だな…。」


汚れでくすんでいるが、顔色が良くない人がかなり多い。


ピッケの様に全体を浄化させると、魔力に当てられ最悪命を落としてしまうものがでるだろう。


そんな危惧をポツリというディラに咲はニヒヒと笑い手を前に出した。


何をするのかと不思議そうに、咲の出した手を見ていると、何かを掬うような形にした手のひらからワサワサとペンダントが出てきた。


「チートって便利よねぇ。」


とディラに向かってウインクする。

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