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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院
「衣服は、制服を此方で用意します。
賃金を貰うようになったら、私服は買ってください。」


咲は、ひとつひとつを丁寧に答えていく。


「でも、賃金を貰っても盗まれたりしたら…」


女性の声も上がる。


「そうね。家がないのよね…。うーん…急に家が立つと怪しまれるし…。」


咲は腕を組んで考えるが、暫くして顔を上げた。


女性の声で、そうだそうだと騒ぎ再びやる気を失っていたスラムの住人も咲に注目する。


「施設に鍵つきロッカーを設置するわ!」


『鍵つきロッカー?』


「って何だ?」


ロッカーが分からないようだ。


咲はニヤリと笑って説明した。


「小さな金庫の様なものです。

皆さんのペンダントで開閉が可能にします。

ペンダントは皆さんが各々の自然に放出している魔力を感知しています。

ですから、他の人は使用できません。

流石に建物を立ててしまうと、不味いですから…。」


最後は眉を潜めていた。


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