この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
咲の旅物語
第17章 街道の孤児院
しばらくすると、食事を終える人がチラホラ見えるようになった。
咲は広場の端にある瓦礫の上に上り、風魔法を用いて広場全体に行き渡るように声をだした。
「皆さん、街道の孤児院から提案があります!食べながらでいいので聞いてください!」
食べ終わった人も、食べている人もなんだなんだ?と咲に注目している。
「皆さん、孤児院の事はご存知ですよね!
実は、孤児院で野菜を栽培しています。
ですが、人手がたりません。
栽培と販売を手伝ってくれませんか?
もちろん、お給料はお支払します。」
ざわざわとざわめくスラムの人々。
「しかし、これだけの人間を雇えるのか?」
「体力がない者は出来ないんじゃないのか?」
「子供はどうする?」
「外壁の外は危険だぞ!」
様々な声が咲に浴びせかけられる。
だが、咲はにっこり笑って続ける。
「簡単です。
子供達や体力のない方は、施設のお手伝いをしていただきます。さらに、ここに施設直通のドアを置いて行きます。
皆さんの首に掛けさせて貰ったペンダントがあれば施設に行けるようになっています。」
「しかし…こんな姿では売れないんじゃないか?」