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咲の旅物語
第18章 噂の屋台
―チックは肝が座ってるわね。
咲はチック達の様子を近くの家の屋根から苦笑いをしながら見ていた。
嫌な予感がして、様子を見に来たところ先程のやり取りが行われていたのだ。
ザンルーフ独特のおっとりした雰囲気の中、あれやこれやと言う間にマンマードのいちゃもんは粉砕されていた。
「珍しい野菜も多いわね。毎日居られるのかしら?」
ザンルーフは目をキラキラさせて、チックに聞くと
「もちろんです…と言いたいのですが…」
チックは答えながらも、チラッとマンマードを見る。
「ええ!もちろんですとも!お前らは毎日ここに来たまえ。」
マンマードは、ニコニコと手を揉みながらザンルーフに頭を下げた。
という展開になったのだ。
その後、ザンルーフが去りマンマードが睨みながら去っていくと、チックはへなへなと座り込んだ。
「チック…大丈夫?」
一緒に来ていた娘がチックに駆け寄る。
「し…死ぬかと思った…」
チックは苦笑いをしながら呟いた。