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咲の旅物語
第7章 湖の神殿
その頃、ヘラ達は村から少し離れた湿地帯にいた。
頑丈な足場は所々突き出た岩のみで、湿った地面はズブズブとそこに侵入した者を飲み込んでいく。
その為普段から人通りはない。
今回の依頼は、ここに生息するロックローの甲羅の採取。
ロックローは大型のカニの様な生物で中級モンスターである。
足場である岩に擬態し、獲物を待ち間違えて上に乗ったのを捕獲して食す。
甲羅は硬く、一筋縄ではいかない相手だ。
「あそこ。ロックローがいる。」
ヘラが目ざとく見つける。
一見岩のようだが、微かに動いている。
どうやら食事中のようだ。
「ラッキー!見つけるのに手間が省けた。」
ダイゴは最初、ロックローと聞いて発見するのに時間がかかるため難色を示していた。
軽やかにロックローの近くの足場まで近づく。