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咲の旅物語
第8章 獣人の里 ピッケ
「おう。」

タチバナは軽く手をあげる。
隣で光が現れ誰かが来た。

「威厳もヘッタクレもないですね。」

咲たちが見たことのない金髪メガネの聡明そうな男が立っていた。

「ちっ、もう来たのか…」

「あなたが咲さんですか。初めまして、ラファエルといいます。
創造神?さっさと仕事に戻ってください。」

咲には優しく微笑み、くいっとメガネを上げるとタチバナへ冷たい目を向ける。

「分かったよ。咲、今度から意識すれば俺に繋がるから、呼べよ。」

そう言って頭に手を置き帰っていった。
残ったラファエルは、咲たちに向き直ると

「では、また。」

と言って帰っていった。

「な…なにがあったの…?」

いち早く、正気に戻ったのはミヤだった。
タチバナが本物の神で、ミノーの一件で助けてくれたと説明した。

勿論、ダイゴやヘラにも転生や神力云々は言っていない。

ただ皆に説明しながらも、咲はなぜタチバナが自分にあれほど良くしてくれるのかが、わからなかった。

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