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咲の旅物語
第10章 ラファエルの依頼
永い間、人間に虐げられてきた獣人にとって受け入れるのは容易ではない。
咲も人間だが、里を救ったという事や洞窟での一件で人とは認識されていなかった。
いささか複雑である。
「許すでし。私らも複雑なんでし。」
ヘラへのグラスを持って、ミケが隣に腰掛けた。
「いいんです。」
グラスを受け取りながら、悲しそうに微笑み目を伏せる。
「しかし、何故ヘラさんは獣人を嫌がらないでしか?」
ダイゴたちとの出会いも、突然だったがヘラは快く同行を認めている。不思議に思っていたようだ。
「年は違いますがわたしの一番の親友が、獣人だったからです。彼女は本当に優しい女性で、大好きでした。」
今は、どこで何をしているのか…
と悲しそうに続ける。