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咲の旅物語
第10章 ラファエルの依頼
「その獣人の女性は居なくなってしまったのでしね。」
「ええ…。無事で居てくれるといいんですけど。」
シンミリしていると、周りから大声援が起こった。
見ると騒ぎの中心には、ダイゴと咲がいた。
どうやら呑み比べをしているようだ。
「よーし!10杯目~。ダイゴなんてチョロいチョロい♪」
咲は、挑発するように舌をだす。
「なにを~!!俺だって」
挑発に乗るダイゴの横で、ティナがオロオロしていた。
「お兄ちゃん、ほどほどにしてぇ~」
ダイゴは、既にへべれけのようだ。
「おい!こっちはもっと凄いぞ!」
ヘラの近くで、別の声が上がった。
皆が目を向けると、ヘラの周りに空の酒樽が乱雑に積まれていた。
やることがないので、ちびちびと大量の酒を知らぬ間に飲んでいたのだ。
「やだ、ヘラったら!お酒飲んじゃダメだよ!」
ヘラはどう見ても未成年である。咲はヘラへ駆け寄り持っていたグラスを取り上げた。
この世界は未成年はお酒を飲んではダメだという概念はないのだが…