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初恋
第1章 告白
ボールが吸い込まれるようにして3ポイントシュートが決まる。
「アヤネすごーい! さすがバスケ部ね」
3時間目の体育はバスケットボールだった。周りの女の子たちが騒ぐなかリオはクラスで人気者のアヤネをぼんやりと見つめていた。
(ハァー、私もあんな風に運動神経がよかったらなぁ…)
「どうしたの、ぼんやりして」
ショートヘアの美少女、アヤネが声をかけてきた。アヤネとは中3になってからクラスが一緒になったのだが、どういうわけかあまり目立たないリオに声をかけてきてくれる。
「なんでもない、ただアヤネはすごいなぁーって」
「バスケは小学3年生からやってるからね」
「そうなんだ」
「ところでさ、今日の放課後ってヒマ?」
「うん、特に用事はないけど」
「よかった。じゃあすぐ帰らないでね」
「わかった」
短い会話を済ますとアヤネは別の女の子のグループに呼ばれて行ってしまった。こんなときリオはちょっぴり寂しい気持ちになる。
(アヤネは人気者だから、しょうがないよね)
その日の放課後。
ホームルームが終わると生徒たちは次々とクラスを出てゆく。そんな中リオは一人ポツンと教室に残っていた。
「ごめーん、日直の仕事で遅くなって」
両手を合わせてゴメンのポーズでアヤネがやってきた。
「ううん。ところで私に何か用事?」
「う…うん。用事というか…」
いつも元気な姿しか見たことのないアヤネが俯いている。リオは席を立ってアヤネに近づいた。
「どうしたの?」
「…付き合って」
「ん? どこに?」
「違うの…私と…私と付き合ってください」
「へっ? …私? …えええっ!」
アヤネが潤んだ瞳で見つめてくる。リオは今まで告白なんて一度もされたことがなかっただけに戸惑いが隠せなかった。それも男子からではなく同性でクラスの人気者のアヤネだったから余計に。
「やっぱり女の子じゃダメ?」
「ていうか何で私なの?」
「ずっと…ずっとリオのことが好きだったの…リオのこと見てて…中3でやっと同じクラスになれて嬉しくて…」
するといつのまにかアヤネの目から涙がこぼれて泣きだしてしまったので、リオは咄嗟にアヤネを抱きしめてしまっていた。
「泣かないで、私も…アヤネのことが好きだったの。でもアヤネはクラスの人気者だから私なんかと釣り合わないと思って…」
「アヤネすごーい! さすがバスケ部ね」
3時間目の体育はバスケットボールだった。周りの女の子たちが騒ぐなかリオはクラスで人気者のアヤネをぼんやりと見つめていた。
(ハァー、私もあんな風に運動神経がよかったらなぁ…)
「どうしたの、ぼんやりして」
ショートヘアの美少女、アヤネが声をかけてきた。アヤネとは中3になってからクラスが一緒になったのだが、どういうわけかあまり目立たないリオに声をかけてきてくれる。
「なんでもない、ただアヤネはすごいなぁーって」
「バスケは小学3年生からやってるからね」
「そうなんだ」
「ところでさ、今日の放課後ってヒマ?」
「うん、特に用事はないけど」
「よかった。じゃあすぐ帰らないでね」
「わかった」
短い会話を済ますとアヤネは別の女の子のグループに呼ばれて行ってしまった。こんなときリオはちょっぴり寂しい気持ちになる。
(アヤネは人気者だから、しょうがないよね)
その日の放課後。
ホームルームが終わると生徒たちは次々とクラスを出てゆく。そんな中リオは一人ポツンと教室に残っていた。
「ごめーん、日直の仕事で遅くなって」
両手を合わせてゴメンのポーズでアヤネがやってきた。
「ううん。ところで私に何か用事?」
「う…うん。用事というか…」
いつも元気な姿しか見たことのないアヤネが俯いている。リオは席を立ってアヤネに近づいた。
「どうしたの?」
「…付き合って」
「ん? どこに?」
「違うの…私と…私と付き合ってください」
「へっ? …私? …えええっ!」
アヤネが潤んだ瞳で見つめてくる。リオは今まで告白なんて一度もされたことがなかっただけに戸惑いが隠せなかった。それも男子からではなく同性でクラスの人気者のアヤネだったから余計に。
「やっぱり女の子じゃダメ?」
「ていうか何で私なの?」
「ずっと…ずっとリオのことが好きだったの…リオのこと見てて…中3でやっと同じクラスになれて嬉しくて…」
するといつのまにかアヤネの目から涙がこぼれて泣きだしてしまったので、リオは咄嗟にアヤネを抱きしめてしまっていた。
「泣かないで、私も…アヤネのことが好きだったの。でもアヤネはクラスの人気者だから私なんかと釣り合わないと思って…」