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結婚式前夜
第2章 最終章 雫(しずく)とぼく
ぼくが麗子さんから解放され、自分の部屋に着いたのは夜の11時を過ぎていた。
このマンションもママの持ち物だ。
全てはママの管理下だ。
でもぼくだけのものが、この部屋の中にある。
ぼくは部屋に入ると「ただいま」と言った。
この部屋で過ごすのも、今日で最後になる。
家財道具がほとんどなくなった部屋で、唯一ソファだけが残ってた。
今日の日の為に残しておいたのだ。
ソファーの上で、雫(しずく)がぼくの帰りを待っていた。
「おかえり……」