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大人遊び
第34章 choice B あの日の事 side 啓介
彼女を駅の改札まで送り、別れた。

離れ難かった。さすがに最後だってわかるから。


――――大丈夫、あの日はお互い酔ってた。俺も忘れる。だから…‥‥…文も忘れて?


俺も忘れるって、忘れられるわけねぇじゃん。。。

柔らかい髪、赤くなった顔、白い肌、声…あの日の事、全部を鮮明に憶えてる。

あの日、離さなければ…俺にも少しはチャンス、あったのかな。

ホームへの階段を下り、見えなくなった後ろ姿。

まだ、君が他の男と幸せになる未来なんて、全然、願ってあげられそうにない。だけど、これ以上、気持ちを伝えることは彼女を苦しめるだけだってのはわかった。

さすがに、好きな人を泣かす事はしたくない。

だから、諦める、それが今の俺に出来る唯一の事だった。
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