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当機は偶然により、運命を変更致しました
第3章 当便は到着地を変更します。
空港には、早めに着いた。
電車もバスも本数が少ないから、ちょうど良い時間には着けなかった。
霧は、昨日だけだったらしい。
今日は朝からちゃんと飛んでるみたいで、ほっとした。
帰れなかったら、すごい困る。
あんな親切な人、もう居ないだろうし。
まず荷物を預けちゃってからお土産屋さんを見て、マンゴージュースでも飲もうかなと思いながら、カウンターに行くと。
「えっ」
「あ、来た」
……来たって何?!
「なんで居るの!?」
「え?帰るから。」
「帰るって……」
それは、そうだろうけど!!
こんなに偶然が続くなんて、変だよね?
やっぱり、ストーカー……?
「俺達、縁有るんじゃない?」
「……どういう意味?」
「帰ってからも、時々会わない?俺、胸派なんだ。チキン南蛮以外でも……これ、置いてったでしょ」
朝、テーブルに置いた名刺を差し出された。
「一度貰った名刺を返すのは、ビジネスマネー的にどうかと思うよ。……はい」
あ。
これ、朝のと違う。
ひっくり返した裏に、手書きで連絡先が書いてある。
顔を見ると、にこにこしてる。
……どうしよう。
時々会うって、付き合うってこと?
まさか。
ちゃんとしたサラリーマンな人が、旅先で出会った変な女と付き合う訳無い。
……セフレ?
次はちゃんとヤるって言ってたもんね。
そうか。そうだよ。
これ、恩返し的にも、受け取っとこう。
どうせしばらく誰とも付き合う気無いし。
「謹んで、頂戴致します?」
「……やったっ」
そんな嬉しい?
相手に困ってなさそうだけど。
あ、胸派?だっけ。
胸目当てね。了解だ。