この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
当機は偶然により、運命を変更致しました
第5章 おまけのおまけ・当便は到着の遅れにより、終電が無くなりました
「ねえ、真帆ちゃん?」
「なあに?」
「俺ら、体の相性凄く良くない?昨日、どう思った?」
「え?」
「真帆ちゃん、ほぼほぼ俺の理想の体だった。やっぱり俺って強運」
「……それさー。朝ご飯の時に、話題にする事?」
コーヒー吹きそうになったよ。
「……あ、ごめん。でも、顔合わせてる間に、言っておきたくて」
聖護さんはマグカップを置いて、手を合わせて、私を拝んだ。
「お願い!終電関係無く、時々泊まりに来て!!」
「えっ」
時々会わない?だったのが。
時々泊まりに来て!に、昇格?したよ。
「仕事とかに差し支え無い時だけで良いし!朝ご飯作るから!」
朝ご飯。
……美味しい、確かに。
「もし良かったら、泊まる日の夜ご飯から一緒に食べよう!で、奢るから!!」
……これは……餌付けされている……?
でも。
職場にも、家にも、ここから一番近い駅からだと交通不便だけど、二番目に近い駅からだと、そんなにすごく時間が掛かる訳じゃ無さそうなんだよね。
「……お安いご用です?……了解……?」
「やったっ!!!!」
そんなに、嬉しい?
彼女とか、大丈夫?
そうも思うんだけど。
可哀想から可愛いかもになって、このすごいいい人なんだけどちょっと変な人に、情が移ってしまいました……。
「真帆ちゃん!」
「なんですか?」
まだ、朝ご飯の途中ですけど。
「ほんと、ありがとう!俺って、ほんっと強運だわー!!」
喜びすぎだよ……
まあいっか。
強運な人と会ってたら、私も強運になるかもしれないもんね。
……後から、考えると。
不倫で遠恋で浮気者な奴と、この時きっぱり手が切れて。
美味しいご飯を食べさせてくれて、
体の相性もなかなか良い、
ちょっと変だけどすごい良い人と、たまたま隣の席になり。
たまたまもっと仲良くなった、と言うことは……。
私の方も、実はかなりの強運だったらしかったのでした。
(おまけのおまけ、おわり。)