この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
わがままな氷上の貴公子
第8章  本当の闘い


 子供の頃から褒められ、大会に出る度に優勝していた。
 “天才”と言われることもあったが、それは本人にとって誉め言葉じゃない。
 言う相手に、悪気がないのは分かっている。
 才能も必要かもしれない。でも蔭で努力していることを、全て分かってもらえない。
 “天才”だとしても、その後に努力しなきゃ何も掴めないんだ……。
 オレの場合知っているのは、コーチや和子さんくらい。
 殆ど会えない家族にも、“才能”や“天才”だけで済まされているようで……。
「潤……」
「え?」
 体を戻し、潤にしがみついた。
 泣いたりはしないが、さっきの千絵のように。
「悠ちゃん……」
 目を瞑って広い胸に顔を付けると、少し安心する。
 静かに、潤の腕が背中に回った。
 優しくしようとすれば、出来るじゃないか……。
「ヤらない、からな……」
「うん……」
 暗闇の中、頭の上からの穏やかな声。
 それにも、何故か安心出来た。
 千絵のように、弱音を吐けない。
 口にすれば、もっと楽になれるかもしれないのに……。
 温もりに包まれながら、いつの間にか眠りに落ちていった。


/141ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ