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エロ小説を100冊読んでみた
第16章 永遠の君へ 隣りの妹
デビューが2001年ですから、この作品『永遠の君へ 隣りの妹』はプロ二年目に書かれています。いきなり売れっ子作家となってしまって、おそらく、めっちゃ仕事が舞い込み忙殺される中で執筆されたのではないでしょうか。
物語はヒロインの視点を中心に語られます。
幼いころから「心臓病」で体が弱い女の子と、その幼馴染の男の子のラブストーリー。
男の子への想いと、手術を受けることへの葛藤、素敵な友人たち……。
それだけだと普通に恋愛小説なんですけど、これはポルノなので更に要素が加わります。
この作品の場合「ヒロインのマゾ願望」です。
男の子への想いと、手術を受けることへの葛藤、素敵な友人たち、そして、エッチな経験を通して目覚めていくマゾ願望……。
これ多分、現在でもなお、わかつきひかる先生のメソッドになっているような気がするんですが、つまり、一般小説の典型的なテンプレート設定に官能要素をひょいと付け足してやるとアラ不思議、あっという間にエロ小説に! という。
わかつき先生は小説が好きな方なんですよね。文学誌や文学賞をマメにチェックされてますし。
だから、物語の定石や型というものをよくご存知で、その特徴が現れた作劇メソッドだと思います。
なので、わかつき作品を読む(研究する)ときは、このポルノ小説のベースになっている物語部分の型って何だろうみたいなことを考えて読んだりもします。