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エロ小説を100冊読んでみた
第22章 才川夫妻の恋愛事情 7年じっくり調教されました

男性社員が後ろを通りかかった女性に向けて、振り向きもせずにさっと手を出す。すると、その手に何かが渡される。
それだけなんですけど、これで「あっ、面白い!」と引き込まれてしまいました。巧い!
目撃者である新入社員は「どうしてそんなことをしたんだろう」「渡されたのは何だろう」ということが気になるわけですが、私も同じく気になりました。続けて読むしかなくなるじゃんね。
んでもって、同時に「研修中なのによそ見している新入社員」のその後も気になる。「怒られるんじゃないの?」
いなり最初のページで気になることがパッパッパッと提示されちゃう。何気ないオフィスの日常の描写の中で。
で、それに応えて冒頭の内容は展開していきます。巧いなあ!
で、「二人は夫妻と呼ばれるほど息の合ったコンビ」「渡されたのはハンコ」「新入社員は研修の説明をしていた先輩にお小言くらう」と、すぐに疑問は解消される。
で、解消されるままにせず「夫妻と呼ばれるほどのコンビのこの二人についてもっと詳しく知りたい」という新たな欲求を作り出し、それに沿って新入社員が動いてくれる(二人に挨拶しにいく)。
期待を作り出してそれに応えるという話運びが絶妙だなと。
物語全体を通してこの法則は崩れることなく一貫しており、疑問・興味の提示→その解消→新たな疑問・興味と、その構成の妙だけでズンズン読まされてしまいました。

