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エロ小説を100冊読んでみた
第22章 才川夫妻の恋愛事情 7年じっくり調教されました

そこで本作が面白いのは、ライバルヒロイン視点から話がスタートし、しかもその彼女が感じのいい、読者が感情移入しやすいキャラとして描かれていること。
「おいおいどーすんだ!?」と、もうね。彼女がヒーローに告白しちゃてから気が気でない。これは書き手目線の感想だと思うのですが。でも、純粋な読み手としても、この嫌うことの難しいライバルヒロインをどう取り扱ったものかと、そんな心配もすると思うんですよね。
彼女に不幸せになって欲しいとは思わない。でも、ヒーローとヒロインの邪魔もして欲しくない。そんな心理が生まれるのではないだろうか。
そこからが後半戦です。あー本当にバランス良い! 巧い!
満を持してヒーローの一人称の章が投入されて答え合わせが始まります。
技法はやはりサイドチェンジ。
同じ出来事を一人称の語り手を変えて繰り返して裏事情を明かすというサイドチェンジと呼ばれるこの技法、なにもTLの専売特許というわけではないと思いますが、印象としては女性向け官能(ないし恋愛)小説に多いような気がします。あくまでもロクに女性向け作品を読んでいない私の個人的な感想にすぎませんが。
「これは何故なんだろう?」と考えた時「愛を確認したい」という女性の欲求と相性がいいからなのかなと推測しているのですが、まあそりゃ男性である私が確たる自信をもって結論することは永久に無理でしょう。

