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エロ小説を100冊読んでみた
第30章 しあわせな恋のはなし

これは私の個人的な持論なのですが、上手な文章にはふたつの条件があると思っています。
1.理解できることが書いてある
2.5W1Hのうち、何かひとつ(ないし、いくつか)が意図的に欠落させてある
このふたつです。
まず、意味が分かることが大事。
その上で、敢えて何か伏せることで「その伏せられた情報が明らかになるはず」という読者の思い込み(期待)を誘発し、それによって次の文へと先導する。
これが文章の基本的な技巧であり、実にシンプルで、それだけでいいとすら思っています。
それにのっとって考えると、この派手さのない物語がスイスイ読めてしまうくせにそれが何故かわからない感覚というのは、情報の伏せ方が物凄く精妙だからなんではないかなと。
場面場面で一体どんな情報が伏せられていたのか、それに気づけない程、繊細に計算されているのではないか。
ぐおー。凄い。
読み返してみたいですねー。これは是非とも。
今すぐとは言わないけれど。
そうだなあ、自分の書いている作品がプロットを終えて執筆段階に入ったあたりで読んでみると色々得るところがある気がします。

