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エロ小説を100冊読んでみた
第30章 しあわせな恋のはなし

あちらの作品もさしたる派手な展開はなかったわけですが、それでも悪役が暴力的に襲撃してくるというクライマックスがある。
そしてガール・ミーツ・ボーイであるこちらのお話のクライマックスは「ヒロインが森で迷子になる」というものなのですが、速攻でヒーローが助けに来ますからね。
もうひとつアクシデントっぽいエピソードは、ヒロインが時計台から落ちそうになるというもの。こちらも速攻でヒーローに助けられます。
そういう事件自体がそんなにヒキの要素を持たされていない。
それよりも、全編に渡ってヒーローとヒロインの想いが描かれている。
恋を知らないまま大人になったヒロインが、結婚してからようやく恋心に気づくことで生じた戸惑い。
恋を知らないまま結婚させてしまったことをフェアではなかったと思い悩むヒーロー。
両者の想いのほんのわずかなすれ違いだけで最後まで行くんですよね。
でも、読めちゃうという不思議。
いや、すれ違いが物凄く深刻に描かれているわけでもないんですよ?
でも、読み進めてしまう。これはなんだ。

