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エロ小説を100冊読んでみた
第33章 いもうと。―SWEET&BITTER

というような思いを馳せるのはここまでにして、作品内容のほうへ。
まず、読み始めて強烈に感じたのはデジャヴにも似た圧倒的な「富士見美少女文庫」感でした。
これはエロラノベではない。他の何か。
官能小説か……いや、すなわちこれが「ジュブナイルポルノ」なんだと理解しました。
アキバ系美少女コンテンツのノリがまだ固まる以前の世界観・雰囲気。
ヒロインが性的な体験をして成長する物語のなんともいえないムズムズするような香り。
とはいえ、じゃあ倉田悠子先生の世界かというとそうでもないんだよなあ。最初に少しだけ「従来型の官能小説か?」と思ってしまったのもこのへんに原因がありそう。
ちょっとだけ硬質というか、男っぽさがあるというか。
でも、女性でしか書き得ない描写がやっぱり沢山あって。前回読んだ『永遠の君へ 隣りの妹』では、それがヒロインの性に対する価値感という形で感じ取れたのですが、この作品では衣服や下着の着脱の描写や、性行為そのものに対して、そういう感想を持つことになりました。

