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エロ小説を100冊読んでみた
第34章 My妹

前回、プロットの型について考察しました。
それで本作も型は使われており、これがやっぱり「葛藤型」なんですよね。
ヒロインは「体形にコンプレックスを持っていて、これでいじめられたことがトラウマになっている」という葛藤状態から始まる物語なんです。
当然終わりはその葛藤の解消なんですけれど、今回はこれがテクニカルに処理されていて。
ヒロインの葛藤だと思っていたら、それがいつの間にか竿役である「お兄ちゃん」の葛藤にすり替えられているという。技巧ですねえ。
もちろん、ヒロインの葛藤も解消されるんですけどね。いや、巧い!
あ、ちょっと話それますけど、わかつき先生は「葛藤型」のプロットばかりってわけじゃありませんよ。たまたま「エロ100」で取り上げさせて頂いている3冊が共通していただけであって。
私、わかつき先生の他の作品も拝読しておりますが、違う型も出てきます。
たとえば「探求型プロット」とか「再獲得型プロット」とかね。
探求型では、主人公は何か目的を持っており、その目的を達成することで話が終わります。
再獲得型は主人公が何かを失うことで始まり、それが再び取り戻されること(往々にして思わぬ形であったりする)でめでたしめでたしです。

