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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第8章 黒いお馬さん
──ガサガサガサッ!
「ほ〜れほれほれっ!」
──ガサガサガサ!!
「ほ〜れほれっ!」
その頃──
ザドルは忍耐という言葉の意味を痛感していた
…耐え忍ってぇ、こう言うことだったんだな
よしゃ、後もうちょいだ!
小さな生き物は物陰に隠れたまま低い位置からザドルの方をじっと見ている。
…よし!もういっちょっ‥
──ガサガサガサッ
「ほ〜れほれほれっ!」
──ガサガサガサ
「ほ〜れほれっ!」
小さな生き物は、徐々にふらふらとザドルの方に近づいてくる
ガサガサと音をたて、揺れ動くマシュマロ入りの袋をキラキラした目で必死に追っている
後5メートルという距離まで来ると興奮を抑え切れなくなったのか、小さな生き物は猛烈な勢いで横揺れしながら向かってきたっ──!
…が、後1メートルの距離で己の足に自ら引っ掛かり顔から地面に叩きつけられてしまったのだ。
「あぁーーーーーっ!!
なんてっ豪快な転び方すんだっちきしょー!」