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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第14章 行商の街 リストン


ザドル達は食事を済ますと先に部屋に戻っていった


「アル! これ持ってお行き」


食器を片付けるアルにエバが包みを渡した


「ロイドんとこ行くんだろ?人様の家訪ねる時は手ぶらじゃいけないよ。
ロイドの大好物だからソレ持って行っておやりよ!!
ああ見えてかなり甘党だからね」



包みからは甘酸っぱい香りがする


「ありがとうエバっ!
じゃあ遠慮なく貰っていくよ」

アルは笑顔で返す。

ふと、母親もエバと同じ事を言ってたのを思い出した

…隣の家に行くだけでも何かを持たしたっけ。



それも今は遠い記憶…村はやがて飢えと病害に蝕まれ、口に入れられる物をみんなで分け合った…



包みを抱え、アルが部屋に行くと皆が待っていた


「アル!早く行こうぜっ」

「うん、みんなもう準備は出来たの?」


「オイラ達は済んでるけど」


ティムの目線を追うとユリアがしきりに鏡を覗いてる


「さっきから3分置きにあーなんだ…」


「…」


「まぁいいじゃねぇか女何て、皆あんなもんだ! ウチのかーちゃんだってあんなだったぞ!!‥お前らもちったぁ女の気持ち解ってやれやっ! ガハハハ」



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