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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第46章 百花繚乱〜満月に咲き乱れる花〜
◇◇◇
「もしかして、お一人ですか──」
紳士は異国の姫君に声を掛けると手にしていたブルーのカクテルを姫に差し出した
‥また来た…っ…
「‥え、えぇ‥連れとはぐれてしまって‥」
‥つっても連れはこの城のお嬢様で、はぐれた訳ではなく大した獲物が居なかったせいか…
『あーダメ…今日は一流モノが見当たらないわ──
アル!今日はもう普通に楽しみましょ。
あなたももう自由行動して いいわよ、じゃ!』
そう言ってアルを自らほっぽりだし居なくなってしまっていたのだ。
かくして、アルは次から次へと声を掛けてくる一流以下の紳士達をかわすのにとても苦労していた…
しかも一人々ご丁寧にアルの為に、カクテルを必ず手にしてやってくる
社交の場に不慣れなアルは残しては悪いと思い、片っ端からそれらを飲み干していた…
紳士同士の暗黙の了解なのかは疑問だが、一人がモーションをかけている間は絶対に他の紳士は近寄る気配がない…
美しい異国の姫を口説き落とそうと、次から次へと誘いをかけてくる紳士達にアルは必死で応戦していた
…っ…おぃおぃっ!
もう7杯目だぞ…大丈夫かよっ!?