この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第57章 すべての始まり
◇◇◇
―コンコン!‥カチャ
「クラディウス様!
南の大陸から文書が届きました──」
「うむ、そこへ置いといてくれ‥」
クラディウスは読みかけの書物を置くと届けられた文書に目を通した―――
「──っ‥なんとッ!?
これは、まことか‥‥‥」
老師は驚きのあまり口を手で覆い絶句する
そして直ぐに王の元へ出向いた―――
「‥‥‥これは誠の出来事か──
どうやら早急に事を進めねばなるまい‥」
老師から受け取った文書に目を通し、王も言葉を飲む。
「どうりで、あれだけの恵まれた大地を持ちながら今期に入って南の大陸からの輸入物が激減していた事が‥
今始めて理解できた‥‥」
「確かに前期に比べ今期の輸入作物は微々たる数‥
どの農村地帯も原因不明の干ばつに襲われておるそうですじゃ‥‥」
*──今まさに、収穫期を迎え黄金の稲穂を実らせた畑は一夜にして灰色の砂漠と化した‥‥──*
国王と老師は文書を復唱し、二人して無言のまま厳しい表情を浮かべていた……