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ご主人様のディルド
第1章 僕はご主人様の部屋に届く
「宅配です。サインお願いこちらにサインお願い致します」
「はい」
「ありがとうございました」


「男の人が持ってきたけど、中身知られてないよね。後で開ければいいからこれはとりあえず納戸にしまおう」

『バタン』
真っ暗な箱の中で僕はご主人様に使われるのを今か今かと待っている。
僕の自己紹介をしていなかった。
僕の名前はディルド。
外人?と思われた方もいるかもしれないけど外人ではない。
じゃあいったいなんだと言われると僕は女性用のオモチャで『ディルド』という名前も商品名になる。
そう僕はご主人様のエッチなサポートをする道具としてご主人様のもとにやってきたのだ。
自己紹介はこのくらいにしよう。
ご主人様はいったいどんな人だろう?
もちろん僕は箱の中だからご主人様がどんな人かわからない。


でも微かに聞こえた,ご主人様の声から推察すると若い20代前半くらいの女性だと思われた。
僕は出番を待った。
でもご主人様は僕を使う気配もない。

「あははは」
ご主人様の笑い声が聞こえる。
テレビを観ているようだった。
僕はよく知らないけど、最近の若い女性はテレビを観ないらしい。
ご主人様は珍しいタイプかもしれない。


やがてテレビの音が聞こえなくなった。
静寂の中で物音一つしない。
もしかしてご主人様は僕のことを忘れて寝てしまったのだろうか?
僕は不安になる。
このまま僕は使われることなくご主人様にも忘れられて捨てられる。
そんな想像をしてしまう。


「うん……あ……うん」
微かに声が聞こえる。
その声は明らかに先ほどまでの声とは違った声音だった。


もしかして……。
僕のことを忘れて一人遊びを始めてしまったのではないのだろうか?
それは困る。
せっかくご主人様のお家に来たというのに使われることなく捨てられるなんて……。


「うん……うんん……」
鳴き声は静かな部屋でとてもよく聞こえる。
ご主人様……。
僕を使って。
せっかく購入してくれたんだから。



「あ……あん……気持ちいい……ハア……ハア」
箱の中に入っているため僕にはどうすることもできない。
「あん……あん……ハアー。そうだ……。アレ……せっかく買ったんだし使わないと」


やっとだ。
やっとご主人様は僕のことを思いだしてくれた!
『バタン』
僕がしまわれた納戸が開いた。
そして僕は取り出されたのだ。
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