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ご主人様のディルド
第14章 片瀬くんと初対面するご主人様のディルド

「先輩……ここでいいですか?」
「あ……うん……そこに置いておいて」
部屋に入って来たのは片瀬くんのようだった。
部屋の明かりがついたから僕の位置からも部屋の様子が微かにわかる。
僕の位置からだと丁度テーブルの脚が見える。
そしてそのテーブルの近くで立っている人は間違いなく片瀬くんだろう。
僕が今見ているのはその片瀬くんの足だ。

ご主人様の足は人間の女の足らしく華奢だが、片瀬くんの足はご主人様の足よりもがっしりしている。
「片瀬くん……座ってていいから」
ご主人様はどうやら部屋にはいないようだ。
「先輩……僕も手伝いますよ。その方が早く終わりますよ」
そう言った片瀬くんの足音は部屋を出て行った。

おそらく台所の方だと思われるが片瀬くんとご主人様がイチャイチャしながら夕食を作っているのだろう。
ふたりの楽しそうな声が聞こえる。(残念ながら何を話しているかまではちょっと聞き取れない)
そしてふたりは夕食を作り終えて部屋に入ってきた。
片瀬くんとご主人様の足が見える。

「いただきまーす」と片瀬くんとご主人様。
夕食を食べながら片瀬くんとご主人様は上司の悪口で盛り上がっていた。
人間の女という生き物は人の悪口がけっこう好きでご主人様も例外ではない。

「それにしても加賀屋さんも片瀬くんに辛く当たってちょっとムカついちゃう。この前、早く帰れなかったのだって絶対嫌がらせだよー」
「まあしょうがないですよ。僕あんまり仕事できないし……それに加賀屋さんにも先輩にもいつも助けてもらってばっかりで……申し訳ないです」

「そんなことないけど……そこは片瀬くん。いつも先輩に助けてもらってでしょ。加賀屋さんに助けてもらっては余計」

「あ! そうですね。すいませんでした」
「もーそういうところが加賀屋さんから目つけられちゃうところなんだよ」
「すいません」

片瀬くんは『すいません』という言葉が口癖のようだ。
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