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ご主人様のディルド
第15章 誘拐された僕の受難
僕は今、片瀬くんのバッグの中にいる。
そして片瀬くんはたぶん自宅に向かっている。
これから僕はどうなるのだろう?
暗いバッグの中で僕は考える。
このまま片瀬くんの家に行ってしまば僕のご主人様は片瀬くんということになるのだろうか?

でも僕は女性のために開発されたディルドだ。
僕は男に使用されるために生まれてきたわけじゃない。
片瀬くん。悪いことは言わない。
僕をご主人元に返してくれ。
キミでは僕を使いこなせない。

しかしこんな心の叫びは片瀬くんには届かない。
だから僕は片瀬くんが新ご主人様になった時のことを想像した。
片瀬くんは一体僕をどう使うだろうか?
そして僕は恐ろしい想像をしてしまった。

まさか……。
僕を……。
キミの汚いお尻に挿入させるのではないだろうな?
僕は一度、エッチな動画らしきものを観ているご主人様の声を聞いていた時にそういうプレイがあることを知った。
どうやらそのプレイは僕のような形状をしたモノで男のお尻を刺激するということらしい。
確かその道具の名前をご主人様が口走っていた。
えーと。
思い出せ……。
確か……。
ペニなんとかと言っていた気がするがそこまでしか思い出せない。
とにかく僕にとっては迷惑千万な話だ。
男の尻の穴なんて汚くて最悪だ。

だいたい女性のあそこはまだいいけど男のしかも一番汚いものを排泄……。
やめようもう……。
想像すればするほど最悪な気分だ。

こんな想像をしていたらさっきよりも静かなところに出たようだった。
どうやら片瀬くんの家にそろそろつ着きそうだ。
そして……。
『ガチャン』という音が聞こえた。
片瀬くんは家に鍵を開けたようだった。
あああ……ついに来てしまった。
片瀬くんの家に……。
これから僕をどうするのだろうか?

『バタン』
バッグに衝撃が走った。
僕もバッグの中で揺れた。
バッグをどこかに放り投げたのだろう。
さすが人間の男だ。
片瀬くんがどんなに大人しい男でもそこは人間の男なのだ。
ガサツだ。
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