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遠恋カレンダー
第5章 5月:時差
きっと慣れない土地で、しかも海外で。
手続きなんかもたくさんあるだろうし、覚えることもたくさんあるんだろう。
私にはわからない忙しいことがきっと山ほどあって
それでも律儀に、日本時間の出勤前に必ず電話をかけてくれる。
それが嬉しくて、私はついつい甘えていた。
夜は2時か3時まで小川君の帰りを待つようになった。
ほんの少しでも話したい。
ウトウトとする私が握りしめるスマホにピロンと音がして連絡が入る。
「もう寝てるよね?今帰宅。明日の朝電話するよ。おやすみ」
寝ている(ハズの)私を起こさないようにメールで連絡をくれるけど
私はそのメールを読んで安心して完全な眠りにつく。
それから数時間して眠い身体を無理やり起こして
朝の支度にとりかかる。
そのうちに寝る前の小川君から電話が入る。
ハンズフリーにして出勤の用意をしながらほんの5分ほど話すその会話は
たった5分だけど、私の何よりの楽しみで。
愛していると自覚してすぐに遠距離になった小川君を感じられる唯一の手段だった。
だから、自分の睡眠時間を削ってでも夜中のメールと朝の電話を大事にしていた。
手続きなんかもたくさんあるだろうし、覚えることもたくさんあるんだろう。
私にはわからない忙しいことがきっと山ほどあって
それでも律儀に、日本時間の出勤前に必ず電話をかけてくれる。
それが嬉しくて、私はついつい甘えていた。
夜は2時か3時まで小川君の帰りを待つようになった。
ほんの少しでも話したい。
ウトウトとする私が握りしめるスマホにピロンと音がして連絡が入る。
「もう寝てるよね?今帰宅。明日の朝電話するよ。おやすみ」
寝ている(ハズの)私を起こさないようにメールで連絡をくれるけど
私はそのメールを読んで安心して完全な眠りにつく。
それから数時間して眠い身体を無理やり起こして
朝の支度にとりかかる。
そのうちに寝る前の小川君から電話が入る。
ハンズフリーにして出勤の用意をしながらほんの5分ほど話すその会話は
たった5分だけど、私の何よりの楽しみで。
愛していると自覚してすぐに遠距離になった小川君を感じられる唯一の手段だった。
だから、自分の睡眠時間を削ってでも夜中のメールと朝の電話を大事にしていた。