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ひと月半の恋人
第1章 婚約者

*
「え?!1ヶ月半も?!」
「うん。出張なんだ」
「出張って、そんなに長いのもあるの?」
私の部屋の、私のベッド。
ゆうちゃんと二人でいつもの週末を過ごしてたのに、突然びっくりする事を言われた。
不満が、顔に出てたんだろう。もっとこっちおいで、って、引っ張られて、キスされた。
「海外だからね。一泊や二泊って訳にはいかないよ」
「だからって……」
一緒に行きたいところとか、たくさん予定してたのに。
「そんなに長く離れてるの、寂しい……ゆうちゃんは、平気なの?」
「里緒……」
また、キスが落ちてくる。さっきのとは違う、長いキス。体も弄られて、一度落ち着いた快感に、また火が点る。
「ん……あ」
「明日、時間有る?」
「……明日?」
「指輪、見に行かないか?」
「え……」
「帰ってきたら、結婚しよう」
一瞬、頭が真っ白になった。
「え……?」
「プロポーズしてるんだけど……分かってる?」
こうして私の恋人は、その夜から、婚約者になった。

