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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章 たもつ
◆ ◆
バイトが終わり、早朝。
「ふわぁ……今日は、さっさと帰って寝よう」
眠い目を擦りながら、家路へ。でも呑気な顔をしながらも、ふと美里さんのことを思い浮かべていた。
「ちなみにね。今年、私がチョコをあげたのはキミだけだよ」
「あの……やっぱり、からかってません?」
「どうして、そうなるのよ?」
美里さんは、ぷっと頬を膨らませて言った。
「だって……僕はただのバイトで、美里さんとは他にはなんの接点もありませんし……」
「だったら、接点とやらを持とうじゃない!」
少しむきになったように言ってから一転、にっと笑っている。美里さんがコートから自分のスマホを取り出すと、僕らは連絡先を交換する流れになった。
ホントに、どうして僕なんかにかまうのかな……。
美里さんの気持ちは謎めいているけど、チョコを貰ったことについては悪くない気持ちなのは当然であり。なんだか胸の辺りが、ふわふわとしていた。
そんな僕の浮かれた様子を、まるで見計らったようなタイミングで。
〖今度、ウチに泊まりにきませんか?〗
そのメッセージは、岬ちゃんからのものだった。