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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章  たもつ 


「だから、均くんが意地悪になった理由も、少しだけわかる気がします」

「岬ちゃん……?」

「今日はわたしが意地悪をして、均くんを気持ちよくしてあげます。だからもっと、してほしいことがあるなら、言ってほしいです」

「して……ほしいこと?」

 だんだん頭がぼうっとして、いろんないやらしい行為が渦巻いた。まるでそれらの妄想を後押しするように、岬ちゃんの声が耳元で言う。

「男の人に奉仕する場合、なにも手だけではなくて。胸や、脚や、口を使うことも勉強しました。あとは射精する時に精子をどこへ飛ばすのかも。男の人は女の子を顔や身体を、欲望にまみれた精子で汚してみたい願望を持っていると、それも理解しました」

「そ、そんなの――AⅤみたいな世界の、偏った知識で」

「では、均くんは――そういうのを観たりしませんか?」

「……?」

「エッチなDⅤDとかに興奮して、自分を慰めることは――ない?」

 儚げで、怪しげ。そんな不思議な瞳に見据えられると、取り繕うことを忘れ。

「ある、けど」

 素直に、そう認めるしかない。

「わたしも慰めます。均くんと知り合えてからは、均くんのことを想いながら、毎日」

「え?」

「だから遠慮なんていりません。わたしのようなポンコツな女――本当のセックス以外なら――どうか好きに扱ってください」

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