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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章 たもつ
シャワーで全身の泡を洗い流すと、岬ちゃんは僕の前で屈んだ。
なにを……する気?
激しい興奮のままに見つめる先で、彼女はそそり立ったものを手にして、そして僕の顔を仰いだ。
そして、にっと微笑む。
「こんなのも、好きですか」
と、舌を出す。
ま、まさか……。
唖然と見下ろす先で、僕は自分がされていることを現実のものとして受け取れなかった。
それでも、岬ちゃんは舌を使い、僕の興奮を極限に誘ってゆく。
おそらくネットで得た付け焼刃の知識で、それでも懸命に舌先を這わせる。膨れ上がった血管に沿い、矢の返しの部分を辿り、先端に滲む透明の液粒を舐めとった。
それの感触を一頻り味わせた後で、言う。
「わたしからする時は、いつもの均くんのままなんですね」
「それは……」
情けなく奉仕される姿を情けなく思い、言葉が詰まった。
そんな僕に、岬ちゃんが優しく言う。
「気にしないでください。わたし今の均くんが、とても愛おしく感じるんです」
小さな口を開けて、僕の欲望の形を、呑み込んでいった。
そして、太ももに手を置き、ゆっくりと頭を前後させる。
くちゅ、くちゅっ――と、ゆるやかに繰り返される、その行為を見つめ。
岬ちゃんは、こんな僕でいいの?
拙い自問の中で、やがて僕は快楽に落ちる。
「み、岬ちゃん!」
「んっ……!?」
「ううっ!」
深く入った時、岬ちゃんの喉の奥に、興奮のまま迸る液を注いだ。
性的な快感と興奮に酔いしれながらも、そんな自分のことを――
「あ……あぁ……」
――深く深く、嫌悪する。
【第三章・終わり】