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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第4章 岬?
わたしにもあるから、それは均くんの後に聞こう。そう思っていたわたしは、自分がなにを聞かれようとしていたのか、まるで心の準備をすることはなかった。
だからこそ、そのショックは大きくて――。
「コレのことなんだけど」
そう言って均くんがポケットから出したのは、一片の紙切れ。なにか雑誌の切り抜きのようだけど。わたしは街灯の明かりをたよりに、それを注視する。
「――!?」
そこに映されたものが、なにかわかると脳裏に衝撃が襲った。
「ごめんね。昨日、クローゼットから寝具を借りる時に、この切り抜きが床に落ちて……無断で持ち去るつもりはなかったけど、朝はいろいろあって聞きそびれちゃったから」
均くんの言葉の「いろいろあって」という部分が、私から彼にした淫らな行為を想起させる。でも、今はそんな場合ではないのだ。
「あ……あ……」
自己逃避のような妄想を追い払っても、頭の中は一向に整理できず、言葉も満足に発せられない。
そんなわたしに、均くんは聞いたのは、ある事実確認だった。