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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第5章 均
「美里さん」
「うんっ……」
改めて唇を重ねて、無我夢中だったさっきとは異なり、今度は意識的に舌を絡めた。ほんのりとしたアルコールの甘さが溶ける舌先を、ねっとりと味わうように。
いやらしく音を鳴らして、互いの意思をうねうねとした動きに託して、唇と舌がもどかしく結んでは解れる――その繰り返し。
「は……ふっ」
「うっ……んん」
吐息をぶつけ、はっとしたように互いの目を見つめた。その中に相手のしらない色をみつけ、まるで現実に戻るのを恐れるように、また唇を貪った。
そうしながらも右手で、ふくよかな胸のふくらみを探る。
片手には余る大きさ。男からすれば、同じ人間の部位とは信じられないほどの柔らかさだ。掴もうとするほど、掴みきれないような感触に焦れた。
そんなもどかしさが、更なる興奮を呼び起こすよう。
「あぁ!」
突如、聞こえた嬌声に、僕ははっとする。
「い、痛かったですか?」
「うん……少しだけ」
強く揉みしだいていた右手を、慌てて放した。
「す、すみません……」
そう言って俯いた頬に、美里さんの両手がそっと置かれ。
「……?」
咄嗟に見た視線に柔らかな笑みを返し、美里さんは言う。
「大丈夫だよ。だから続けて」
「あ」
「今度は優しく――ここも」
美里さんの手に誘われ、僕の眼前にあったのは乳首だった。