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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第5章 均
枕元にあるスタンドの柔らかな間接照明に浮かぶ、白いシーツのベッド。結局は寝室に招かれている。
「全部、脱ぐね」
美里さんは背中を見せたままそう言うと、まだ身に着けていたパープルの下着の上下を淡々と思える動作で脱ぎ去り、言葉通りに全裸となった。
そうしてから、ゆったりとした広さのベッドへ、その身体を横たえて、僕を仰ぐ。
「キミも脱いで」
と、言った。
まるで本当にモデルのように、メリハリがあって流れるような曲線のスタイル。その裸体が怪しく照らし上げられた様を目の前にして、僕はそれが反射であるように、ごくりと喉を鳴らした。
一度は引っ込めた熱いものが、みるみる内に戻ってくるのが、わかった。言われた通りにシャツやパンツを脱ぐと、美里さんの前でこれでもかと勃起した欲望の塊を露わにしている。
それを、じっくりと眺めてから、美里さんは言った。
「じゃあ、きて」
飛びつきたい高まりを抑えて、じわりと近づく。ベッドの上に乗って並び、横たわろうとすると、ソファーの時とは反対に美里さんはごろんと仰向けになって僕を迎えていた。
自然と横から、その白い肢体に覆いかぶさってゆく。
「好きなように、抱いていいよ」
下から僕を仰ぐ美里さんが、なんともいいようのない表情で笑う。
シーツの上に広がった髪に震える指を通しながら、僕は自分の心臓が鳴らす音をはっきりと自覚した。
こんな綺麗な女性を、僕は抱こうとしているのだ。
はじめてのセックスに至る寸前。目の前の現実と、それまでの幾多の妄想が、急激に埋めがたい溝を閉ざそうとしてる。
どうやって、とか。恥をかいたら、とか。そういう気持ちは、既になかった。