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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章 美里晶
「晶がそういうリアクションなのは、まあ、わかるかな。だってさ」
「だって?」
「ずっと一緒にいたこの一年間。私が晶のこと、どんな風に見ていたのか全然意識してくれないんだもん。あくまで、仲良しのお友達って感じでさ」
「それ、どういう意味?」
「晶って綺麗な身体してるよねー。背も高くて、プロポーションだって最高。体育の着替えの時とが、結構じっくり見ちゃってたんだけど」
「――!?」
「アハハ! そんなに、あからさまに引かないでくれない。これでも結構、繊細なんだからさ。傷つくじゃん」
「の、希……?」
彼女がなにを言いたいのか、だんだんわかってきていた。
希はその時、それまでに見せたことのない眼差しを私に向けた。おどけたような言葉とは裏腹に、切なげであり艶やかでもある。
そして普段はクールな希が、唇を震わせながら言った。
「ねえ、晶。私とつき合ってよ」
「!」
「好きだよ、晶。好きだったんだ。ずっーと」
「……」
一瞬にして頭の中が真っ白になり、なにも言えずにいると。
「あーあ、つい言っちゃったじゃん! ダメなら、これっきりなのに……」
希は自嘲気味に笑っていたけれど、前髪に隠れた瞳から、きらりと涙が光ったのを私は見逃さなかった。