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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第6章 美里晶
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とはいえ女子校での日々は、決して悪くはなかった。幸い友達にも恵まれ、それなりに楽しい毎日を過ごしていた。
陸上をやめたことで、多くの時間を遊びやおしゃれに費やすことができる。憧れたような恋愛とは無縁でありながらも、それなりに普通の女子高生らしくあったのだと思う。私の考えていた普通が、崩れはじめるまでは……。
それは二年になったころの、ある日。
「あの……ずっと憧れてました。先輩のことが、好きです」
私に告白してくれたのは、同じ女子校の一年生だ。はじめはからかわれているのかと思ったけど、涙ぐみながら私を見つめた彼女に悪意があるはずもなかった。
すぐに返事をすることができずに、後日その件を一番親しかった友達に相談することにした。
「へえ、どんな子だった?」
話を聞いたあとで、岸井希(きしい のぞみ)は、あっけらかんと言った。
「え?」
「タイプなら、つき合っちゃえばよくない?」
サラサラとしたショートカットの前髪を、ふっと息で拭きながら、希は事も無げにしていた。
「だって、女の子だよ。相手――」
わたしのそんな言葉を遮り、希は強い口調で言った。
「だから、どうなの」
「希……?」
驚いて見つめた私に、ふっと緊張を解いて希は笑う。
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