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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第8章 あやか
両親は犬や猫が好きすぎて、わたしの暮らす家にも常時、合わせて五匹以上の犬猫を飼い続けている。そのせいか、こちらへの興味は普段からペットたちに負けているような気がしていた。
わたしだって子供のころには動物が好きだったけれど、あまりにペットを溺愛する両親に辟易するようになると、次第にその気持ちは薄らいでいった。
特に換毛期になると、くしゃみが止まらなくなるなどの事情もあり。後天性のアレルギーかもしれないと両親に話したことがあるけど、あまり真剣に聞いてもらえなかった。それ以来は、制服に毛がまとわりつくと無性にイライラしたりもした。
これからは、もっとペット中心の生活になるのは間違いない。自分のストレスが膨らむことを踏まえて、わたしは何度目かの話し合いの場で、それまでになく強く言った。
「お父さんとお母さんばかり好きなことをして、わたしはしてはいけないの?」
すると意外なことに、先に折れたのは無関心に思っていた父の方だった。
「うん、いいじゃないか。このくらいなら、心配することもないだろう」
その時父が手にしていたのは、地元の衣料品ディスカウントショップの新聞広告だ。ファッション誌などを見せるよりは、少なくとも敷居が低くなるのは計算していた通りだ。
「その代わり、学校にはちゃんと行くんだぞ」
その父の言葉がとてもお座なりだと感じつつも、それはもうどうでもよかった。
そうして、週に何回かのレッスンと、いくつか地味な仕事をこなしつつ数か月が経ったころだ。
「あやか、水着のグラビアに挑戦してみないか?」
唐突に、加賀見さんが言った。