この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章  山本均 


 バイトを終えコンビニを出ると、午前五時を十五分くらい過ぎていた。今朝に限って、早朝の引継ぎに少し手間取ってしまった。

 小鳥がさえずる中コンビニのある通りをいつもと違って、駅とは逆方向へ歩いていく。自然と小走りになった。

 メッセージで〖この前の場所にいます〗と告げられ、思い当たる場所が他にはない。そのまま五十メートルほど歩いて立ち止まり、細い路地の方を覗き込む。ほんの三日前に彼女を追って、はじめてその素顔を見た場所だ。

「バイト、終わったよ。遅くなっちゃって、ごめんね」

 電柱の影にいても、少しだけ見切れている横顔に声をかけるが。

「あの女の人……彼女、ですか?」

 たぶん、美里さんのこと。岬ちゃんは、とても単刀直入に、まずそれを聞いた。

「まさか。あの人は、今日はじめてお店に来た人だから、会ったのだってはじめてだよ」

「だけど……手、を」

「て?」

「繋いでましたね。わたしがお店に、入った時……」

 岬ちゃんはようやく顔を上げ、僕を見つめた。

 その場面を、やっぱり見られてた。だけど、言い訳するのも妙だと感じた。

「手なら、岬ちゃんとも繋いだね。お釣りを渡す時に」

 岬ちゃんの方から、握ってきていた。

「あ、あ、あれはっ……」

 岬ちゃんは、あわあわと慌てたようにして、両手を顔の前でパタパタとさせた。そんなテンパった姿も、とてもかわいらしいと感じる。

/376ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ