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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第1章 山本均

「ん……ん……」
「ゆっくりでいいから、少しずつ――もっと――そう、あと少し」
僕の言葉に促されるようにして、岬ちゃんはくっつけていた膝を離すと、内股を微かに震わせながら、じわりと両脚を開いていった。
そうなると股間を隠すようにしている、彼女の手が邪魔だ。
「手を、どけて」
「……」
「さあ、早く!」
僕が大きな声を出すと、肩をすくめた岬ちゃんが股の間の手をどかした。すると今度は恥ずかしさに耐えかねるように、同じ手を用い顔を覆った。
「……」
露わとされたボックスショーツの股間を、僕は黙って注視する。ピンク色の布地が、はっきりと濡れているのを認めた。
「濡れてるね」
わざと、ぼそりと言う。
岬ちゃんは聞こえなかったとばかりに、反応を示さなかった。
「さあ――下の方も、いじめてあげようか」
「……」
「このバイブレーションを、下着の上から撫でつけて。優しくゆっくりと、何度でも何度でも」
「はっ……」
言葉で描写した光景を思い浮かべたのか、焦がれたような吐息が彼女の口から漏れ出す。
その音を耳にして、今度は僕自身がぞくりとする。そんな内面を悟られまいと表層を取り繕うからこそ、内側の奥底でマグマが噴き出しそうな熱量を感じていた。
「不思議と、いやらしい音に聴こえてこない? このバイブの振動がどんどんどんどん、岬ちゃんの大事なところに近づいてる――フフ、もうすぐソコまで」
両手で視界を閉ざしている岬ちゃんに、あえてその状況を伝えた。

