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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第3章 たもつ
「わたしも、均くんのしてほしいこと、してあげたいです」
岬ちゃんから、そんな風に言われて、自分でも恥ずかしいほど勃起している股間を擦られた。どうにかなりそうなくらい、頭がくらくらした。
部屋に入るなりアイマスクで目隠しをして、岬ちゃんの身体を触った。この目で裸を見て胸を揉んで、下着の中まで手を入れたりしたことで、僕の興奮は只でさえマックスだった。
そして今は、さっきまでと違い普段の山本均である。それを心もとなく感じても、スイッチの切り替え方なんてしらない。
「み、岬ちゃん……」
とりあえず彼女の名を口にした僕の、頭の中にエッチすぎる妄想がぐるぐると回ったのは言うまでもなくて。「普通のエッチはできない」という彼女の意思さえ反故にして、飛びつきたい衝動に駆られていたのも事実だった。
アイマスクをした彼女をイジメていた僕は、もう完全にどこかに行ってしまった。というのは少しズルい気がするのは、やっぱり僕は僕だから。
違う自分になったつもりで声を変え、確かに普段の自分ではできないことをしていたとは思う。だけど、もちろん別の人格というわけではないから、裸で快感に溺れる彼女を前に、興奮したのも所詮は僕自身だった。
そして、頭の中には常に葛藤が残る。
「キス、してもいい?」