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プロポーズ体験売り出します
第8章 次なるハッピーを探して
帰りに、まり恵ちゃんと二人だけの送別会をした。
そこでまり恵ちゃんは、ほんとに辞めてよかったのかと不安げな目で俺を見た。
「俺は大丈夫ですよ、まだまだぜ~んぜん若いし。あ、これ嫌味じゃないっすよ」
嫌味じゃなきゃ何なのよ!とまり恵ちゃんが不安の目を真ん丸に広げて
笑い声をあげた。
「そうね、まだ新卒だものね。次は何か考えてるの?」
「そうだなぁ、やっぱインテリア関係の仕事に就きたいかなぁ」
もう会社の規模にはこだわらない。
個人でやっているような小さなショップや、工房みたいなところも興味がある。
とにかく、奇をてらったような仕事だけは避けるつもりだ。
「俺よりも中野さんは?もう次が決まってるんですか?」
俺の問いかけには、あてはある、とうやむやな答えしかくれなかった。
だがその目は何かをつかんでいるようなまっすぐさがあった。
俺が心配するまでもなく、まり恵ちゃんは新しい人生の道を切り開いていくはずだ。