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プロポーズ体験売り出します
第8章 次なるハッピーを探して
また会えるといいわね、と手を振りながら地下鉄の駅へと歩いていくまり恵ちゃんの
後姿が見えなくなるまでその場に立ち尽くした。
その姿を、彼女の存在を忘れないようにと。
「さて、次なるハッピーを探さなきゃ」
ケヤキの葉越しにかすかに見える夜空に呟く。
そして前に向かって歩き出す。
表参道の人波、高級店の照らす歩道。
その中を胸を張って前に進む。
少し歩くと突然、俺を呼ぶ声が。
「菱沼君!」
声の方に顔を向けると、水神さんが数人の男女の輪の中から手を振っていた。
さっき別れの挨拶をしたばかりでもう再会なんてバツが悪いっていうか間が抜けてる。
恥ずかしさを隠しながら水神さんのもとへと近づくと、彼女が仲間たちに俺を紹介した。
すると一人の男が俺に名刺を差し出した。
インテリアショップ兼工房のオーナーと書いてある。
興味があったら店を見においでとの言葉をもらい、水神さんたちと別れて再び歩き出す。
また夜空を見上げてみる。そしたら・・・
ネオンに邪魔されている都会の夜空の中に、
星を一つ、見つけられた。
end