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あなたからは逃げられない
第12章 成人式で熱い抱擁



『あ、ほかの部屋に布団なんてないから今日は狭いけど葉月のベッドで二人寝てちょうだいね。
なんせ急だったから布団なんて用意してないわ。』

私は振袖を脱ぎニットとデニムに着替えてママが整える振袖を見ていた。


何故か二人で寝ることは初めてではないのにドキドキしている。
それは実家だからなのかどうしてなのかは理解出来ていないけど今日この部屋に彼が止まることを考えると緊張する。


『もうパパ達は飲んでると思うの。
お昼は軽く済ませて夜はお寿司でもとろっか。

夜には陽ちゃんも帰ってくるから。』


陽ちゃんとは弟の陽介のことだ。
そういえばこっちに帰ってきてから顔を合わせていない。


「陽介は最近どうしてるの?」

『あの子は忙しいのよー、塾に部活に。

あとは彼女と会う時間もいるからって平日も夜遅いし朝は朝練?で早いみたい…』


そっか。陽介も陽介なりに頑張ってるんだ。
よし、今日の夜二人にお金を返そう。


私はそう決めてママとリビングへと向かう。
そこには父のジャージを借りていた龍輝さん...

二人でビールや日本酒など飲みすぎではないかと思うくらいに飲んでいる。パパなんて顔が真っ赤っかだった。





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