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あなたからは逃げられない
第13章 反抗期の弟の本音

『ほっておきなさい。』とママには止められたけど気になるとどうしようもない性格だから私は陽介の部屋に向かった。
一応ノックをしてみるけれど中から声は聞こえない。
「陽介、入るよ?」
ドアノブを捻り中を見るとそこには片付けられていない部屋だった。学校から持って帰ったバッグは置きっぱなしだし服もぐちゃぐちゃ。
机の上には本や参考書が山のようにある。
『何?』
「用はないよ。ただ久しぶりだから話したかったのに部屋に戻ったから。」
『あ、そう。』
昔は可愛かったのに今はすごく冷たい。
『用がないなら出ていってよ。』
「下に降りてきて紅茶飲もう?
ご飯食べるだけじゃなくて話そうよ。」
すると陽介はベッドから身体を起こして机の上にあった本を私に向かって投げてきた。
投げられると思うと同時に当たる!って思ったのに怖くて動けなかった。
ドアにぶつかる音と共に身体がビクッと震えた。
『出ていけって言ってんだろ。
これ以上俺をイライラさせないでくれ。』
そう言うと頭を抱えて何も喋らなくなってしまった。
何かに悩んでいるのか顔も見たくないと言われてしまった。

