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あなたからは逃げられない
第13章 反抗期の弟の本音



「何かに悩んでるの?話だけなら私が聞くよ。」



陽介のために発した言葉だった。

いや、そのつもりだったのにそれは間違いでどうやらその言葉で陽介をさらにイライラさせてしまったらしい。

『は?話だけならって誰のせいでこんなになってると思ってんの?今更姉貴づらすんなよ。

姉貴がうちを出たせいで俺は勉強、部活、全てにおいてトップを命じられた。
嫌だけどやるしかないと思ってやってきた。

それが何?成人式終わると男連れて帰ってきてんの?

呑気でいいね。』


陽介が今抱えているものは私のものよりとてつもなく大きいプレッシャーなのかもしれない。
それは私がここから出ていったせいで彼に全てがのしかかっていると思うと申し訳ないなとは思う。


「陽介...」

『もう出ていってくれ。』



私は何も言えなくなってしまい部屋から出ようとドアを開けると目の前には龍輝さんが立っていた。


「ちょっといいかな?」

『勝手に入んなよ。』

「陽介、口の利き方は気をつけなさいよ。」

私の制止を彼は大丈夫。と言った。そしてここにいてねと私を残して陽介の部屋の中へと入っていった。


廊下の端にはパパとママが陽介の部屋の様子を伺うように見ていた。




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