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あなたからは逃げられない
第13章 反抗期の弟の本音

「陽介くん、ちょっといい?」
『俺あんたと話すことないんで。』
龍輝さんはそれでも陽介の部屋に入っていった。そしてお構いなく話を始める。
「お姉さんとお付き合いしている霧島龍輝です。いきなり家にお邪魔して申し訳ない。
でも、この先も付き合いをすることになると思うから仲良くしてくれると助かるんだけど…」
ベッドに座った陽介に目線を合わせるように屈んで話をしている。
『この先も?姉貴と結婚でもすんの?』
「この先そうしたいと考えてるけどどうなるかは分からないからね。」
『ふっ、よかったじゃん。逆玉の輿ってやつ?』
バカにしたように言う陽介に腹が立ち間に入ろうとすると私を阻止したのはパパだった。
『陽介、お前誰にそんな口をきいてるんだ。
霧島貿易の社長だ。逆玉?それがどうした。
いずれは龍輝には本社に来てもらう。そして会社を継いでもらうつもりでいる。』
パパはあっさりと龍輝のことについて話した。
「会長、それは今言わなくても…」
『いや、ハッキリしておかないとな。
大学を卒業して霧島貿易に就職した直後に両親をなくした龍輝は自らの力でここまで登り詰めた男だ。』

