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あなたからは逃げられない
第16章 入社式、波乱の幕開け

4月
迎えた入社式
会社から少し離れたところで大河原さんが私を降ろす。
『いってらっしゃいませ。お気を付けて』
「いつもありがとうございます。行ってきます」
会社まで歩いて向かっている。
ちらほら真新しいスーツに身を包んでいる人がいるからこの人たちも新社会人なんだろうと思うと何だか嬉しくなる。
すると目の前に飛び込んできたのはあきらかに歩き方が緊張していてガチガチの男の人だった。
手荷物バッグを力いっぱい握りしめていて緊張しているのが見える。
歩いて通り過ぎる時にチラッと見てみると冷や汗をかきながら真っ青な顔をしている。
「あの?体調悪いんですか?良かったらこれ…どうぞ」
私はバッグからうちから持ってきた水を差し出すとその人はキャップをあけ水をごくごくと飲んだ。
『す、すみません!緊張してて…』
「顔色良くないから無理しないでくださいね!」
『あ!お金!!』
「大丈夫です!」
『あの、お名前だけでも!!』
「私は今日からあの会社で働く小鳥遊葉月です。」
私は霧島貿易を指さし彼に自己紹介をした。するとビックリした顔をした彼は、俺もあの会社で働くんです!と教えてくれた。

